わが国は過去、多くの自然災害を経験しており、効果的な防災対策の必要性が災害のたびに叫ばれている。政府は「防災に関する研究開発基本計画(平成5年12月)」を策定し、それに沿って防災科学技術に関する研究開発を進め、各種の防災対策を講じて一定の成果をあげてきた。同計画においては、地震時の地盤振動特性解明のために各地域の地盤についての詳細なデータベースを構築する旨の記載があり、同時に防災に関する研究開発は基礎から応用、開発に及ぶ広範囲な分野にわたるものであるため産官学の関係機関の連携強化が必要であるとされている。
科学技術庁(現・文部科学省)は平成9年9月「地震防災研究基盤の効果的な整備のあり方について(航空電子等技術審議会)」をまとめ、地震防災データベースの構築と運用の必要性を指摘している。
文部科学省の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会に設置された「防災分野の研究開発に関する委員会」では、内閣府の総合科学技術会議による「科学技術基本計画(平成13年3月閣議決定)」や「分野別推進戦略(平成13年9月、総合科学技術会議)」および独自の調査やヒアリングを基に今後の防災科学技術についての検討を進めてきた。そして、文部科学省において進めるべき重要研究開発課題、研究開発推進にあたっての重要事項等を「防災に関する研究開発の推進方策について(平成15年3月、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会)」としてまとめた。その中においても、研究開発の基礎となるデータベース構築の重要性が指摘されており、具体的には、速度構造データやボーリングデータなど地震動の強さや性質に関わる基礎資料類のデータベース化を挙げている。
地震調査研究推進本部は、平成9年8月に策定した、「地震に関する基盤的調査観測計画」で、地震現象を把握・評価する上で基礎となる調査観測を「基盤的調査観測」と位置付け、その結果は広く公開することを原則とし、効率的な流通を図るよう努めるものとした。基盤的調査観測の結果の流通・公開については、「地震に関する基盤的調査観測等の結果の流通・公開について(平成14年8月、地震調査研究推進本部政策委員会調査観測計画部会調査観測結果流通ワーキンググループ)」としてまとめられ、「防災科学技術研究所は、地震学、地球科学、地震防災研究にも活用できる統合化地下構造データベースを作成する」としている。
防災科学技術研究所では、以上のような動きを踏まえ、特定プロジェクト「地震動予測地図作成手法の研究」および文部科学省リーディングプロジェクト「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト」の一環として、地震情報を有効に活用するための基盤整備として、地下構造に関するデータのデータベース化をとりあげ、平成15年に「地下構造データベース検討ワーキンググループ」を設置し、統合化地下構造データベースのあり方等について検討を進めてきた。本報告書は地下構造データベース検討ワーキンググループにおける、統合化地下構造データベースの必要性や地下構造データベースの現状と統合化における課題、統合化への道筋についての検討結果をとりまとめたものである。
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