「地下構造データベース」は、地下を構成する土質・岩盤の物理的・化学的諸性質およびその分布・形状に関連する調査・観測データおよびそれらに基づいた集成・研究の成果による地下構造データ類からなるものとする。地下構造データには、主として地震動予測を中心とする地震防災に有用なデータとして、以下のようなものが挙げられる。
(1)地下浅部の地下構造にかかわるデータ
地下浅部とは、地表面から工学的基盤相当までの範囲を意味するものとし、その深度範囲についての資料の多くは工学的利用目的で実施された地盤調査(土木、建設、地下空洞、地下水開発など)、および理学的目的で実施された研究(活断層調査成果などを含む)によるデータからなることが多い。
地下浅部の地下構造は、より被害に密接に関連するものであるとされており、その地震動に対する挙動特性を推定するためには、地下掘削資料(ボーリングによる土質・地質確認結果:柱状図)、地下掘削に伴う原位置試験結果(標準貫入試験や速度検層などの結果)、および地下掘削により採取された試料についての土質試験結果(粒度分布、動的試験結果等)が、重要である。
(2)地下深部の地下構造にかかわるデータ
地下深部は、工学的基盤相当より深く、地震の発生領域を含む範囲(上部マントルを含む)を指し、その深度範囲についての資料の多くは地質学および地球物理学等の理学的研究に基づく資料(堆積平野地下構造調査資料などを含む)、およびエネルギー等の資源開発に関連する調査資料からなることが多い。
このうち、地球物理学的データとして、地震波速度(
,
)とその減衰の程度を示すパラメータ(
,
)の分布ならびに密度の分布に関するデータ、もしくは等値面、等深度面など地下構造をモデル化したモデルデータが含まれる。これらは、地震の震源から工学的基盤までの地震波の伝播の様相と、浅部地下構造(工学的基盤)に入射する地震動の強さや時刻歴波形を予測・計算するために必要となる。
(3)その他関連するデータ
上記データを補完するものとして、地形学的データ(数値標高モデル、微地形区分、土地利用図、急傾斜地区分図などのデータ)、地質学的データ(第四紀学的研究成果や活断層調査研究成果などを含む)、測地学的データ(重力、地殻変動データなど)、地震学的データ(歴史地震、津波を伴った地震の震源・波源モデル、巨視的な地震波速度分布モデルなど)も、地下構造や地震現象そのものを理解するため必要となる。また、過去の地震に関連する被害履歴なども、今後の地震被害を予測する際に重要な資料である。
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