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長期間平均ハザード地図

J-SHISに、2012年版から「長期間平均ハザード地図」が追加されました。

まれに発生する大きな地震に対応するために

海溝型地震は数十年から数百年、陸域の活断層で発生する地震は数千年から数万年に1回程度の頻度で発生することが知られています。これまで作成してきた、「30年 3%の確率で一定の揺れに見舞われる計測震度の領域図」や「50年 2%の確率で一定の揺れに見舞われる計測震度の領域図」等の地図は、数百から数千年に1回程度の頻度で発生し比較的切迫性の高い地震の影響が分かりやすい地図です。しかし、数万年に1回といった発生頻度の低い陸域の活断層などの地震によって起こりうる強い揺れは、これらの地図にはほとんどみえてきません。

長期間平均ハザード地図は、このような切迫した地震の影響ではなく、「どの程度の揺れが起こりうるのか」に着目して作成されました。

長期間平均ハザード地図とは

長期間平均ハザード地図は、数百~数万年といった長期間の再現期間に対応する、地震による揺れの大きさを示す地図です。J-SHIS Mapでは、以下の6つの地図を見ることができます。

  • 再現期間10万年相当の計測震度
  • 再現期間5万年相当の計測震度
  • 再現期間1万年相当の計測震度
  • 再現期間5000年相当の計測震度
  • 再現期間1000年相当の計測震度
  • 再現期間500年相当の計測震度
長期間平均ハザード地図:再現期間10万年相当の計測震度

長期間平均ハザード地図:再現期間10万年相当の計測震度

再現期間とは、ある事象の平均発生間隔です。例えば、「再現期間1000年相当」の地図は、ある地点で1000年に1回程度の頻度で見舞われる揺れを表しています。地図上で震度5弱の色で表示されている地点では、1000年に1回の揺れは震度5弱以上です。1000年に1回といっても、長い期間を平均した場合に1000年に1回という意味なので、実際には1000年間に2回かもしれませんし、1回も起こらないこともあるということに注意が必要です。

下の図は、「再現期間10万年相当の計測震度」の地図の新潟県付近拡大図です。この地図から、10万年に1回程度の頻度で、内陸部の山地では震度6弱以上、ほとんどの地域では震度6強以上、地盤が比較的弱い沿岸の低地部や大きな河川流域等では震度7の揺れに見舞われる可能性があることが分かります。

再現期間10万年相当の計測震度(新潟県付近拡大図)

再現期間10万年相当の計測震度(新潟県付近拡大図)

“10万年”をどうとらえるか

再現期間を長くするほど、発生頻度がより低い地震による、揺れの影響が網羅されることになります。再現期間によって、揺れの原因となる地震の種類はおおまかに次のように分類することができます。

  • 再現期間1000年相当の地図
    主要な海溝型地震
  • 再現期間1万年相当の地図
    ほぼ全ての海溝型地震と主要活断層帯の地震
  • 再現期間10万年相当の地図
    震源を予め特定しにくい地震を含むほぼ全ての地震

10万年といわれても、長すぎてリスクとして考える必要がないと思うかもしれません。しかし、ある地域においてある規模で発生する地震の頻度が10万年に1回だとしても、そのような地震が日本周辺全体でみて1万回あったとすると、10年に1回は日本周辺のどこかで発生するということに注意が必要です。例えば、過去約200年間に発生した内陸の被害地震(死者50人以上)は23回知られており、発生頻度は約10年に1回となっています(表1)。個別の地震の発生頻度が低かったとしても、日本全体で見ると、発生頻度は決して低いとはいえないのです。

内陸の被害地震、死者(不明者を含む)50人以上

表1. 内陸の被害地震、死者(不明者を含む)50人以上:日本における被害地震の発生頻度に関する統計的分析について(地震調査研究推進本部HPより。画像クリックでPDFが開きます。)

カテゴリー : 学ぼう | タグ : 地図, 被害地震 
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