J-SHIS Map Rについて
防災科学技術研究所では、「全国地震動予測地図」の公開システムである「地震ハザードステーション J-SHIS」において公開された地震ハザード情報(将来日本で発生する恐れのある地震による揺れの情報)をもとに日本全国の地震リスク(将来日本で発生する恐れのある地震の揺れによる建物被害、人的被害)を定量化する検討を行ってきました。
第2期中期計画(平成18年度~22年度)から行ってきた検討結果の一部を、平成30年3月に「全国を対象とした地震リスク評価手法の検討(防災科学技術研究所研究資料 第415号)」として公開しました。
「J-SHIS Map R」は、上記の研究資料に掲載された多種多様な地震リスクに関する地図をweb上で閲覧することを目的に開発したものです。「J-SHIS Map R」で公開されるリスク評価は日本全体の地震リスクを把握することを主眼としていることから「全国概観版地震リスク評価」と称しています。
防災科学技術研究所では、「J-SHIS Map R」の公開に向けて、学識者・民間の有識者から構成される「J-SHIS高度化に関する検討会(委員長:能島暢呂 岐阜大学教授)」を平成30年度に開催し、全国概観版地震リスク評価及び評価結果の公開に関する意見を収集しました。防災科学技術研究所では、検討会での意見を踏まえ、2020年1月より「J-SHIS Map R」の運用を開始しました。

J-SHIS Map R
「J-SHIS Map R」では以下の情報を閲覧することができます。
- 確率論的地震リスク
- 地震カテゴリー別リスク
- 条件付き超過確率
- 想定地震別地震リスク
- 過去~現在~将来の地震リスク
- 曝露データ
なお、「J-SHIS Map R」で閲覧可能な地震リスク情報は、防災科学技術研究所が地震リスク評価手法の検討の一環として試算したものであり、公的機関によりオーソライズされたものではありません。また、「全国地震動予測地図」(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2014)による地震ハザード情報を活用した試算結果であり、最新の地震ハザード評価を踏まえたものではなく、さらに、今後の検討によって内容や試算結果等が変更される可能性があることに留意する必要があります。